僕がAVを見なくなった理由(1)AVへの扉

こんにちは。
今回はなかなかオープンに話しづらいトピックにもかかわらず、Wが自分の経験を正直に語ってくれました。
同じような経験がある人にも、AVを見たことがない人にも、興味深い内容になっていると思います。
このシリーズは数回に分けて記事にしていきたいと思います。



目次


AVを見始めたのは何歳のときだった?

AVを初めて見たのはいくつくらいの時だったの?

小学校の時。友人のお兄さんにパソコンで見せられたのがきっかけだった。

友人のお兄さんからってあるあるだね…。それを見た時どう思った?

すごく衝撃的だった。今まで感じたことがないような気持ち。いい気持ちと怖い気持ちが混ざってた。

女性から男性へのオーラルセックスのシーンだったんだけど、「これはやってもいいことなのかな」と思った。でも同時に、自分がその男の人になりたいとも思った。

そのAV男優はまるで王様みたいに支配的だったのを覚えてるよ。

それから自らそういう画像を探すようになった。当時はインターネットが使えるようになったばっかりで、動画よりも画像が一般的だった。

はじめは裸の女性を見るだけで十分性的興奮を得られたんだけど、次第にもっと過激なものを見たいと思うようになった。

でもいけないことだと感じてたからこっそり見てた。家には共有のパソコンしかなかったけど、それでも必死に見てたよ。

それが劇的に変わったのはスマートフォンを手に入れたとき。いつでもどこでも見れるようになった。どんな動画でも。

歯止めがきかなくなったんだね。

28歳になるまでは毎日のように見てたよ。


なぜAVを見るのをやめようと思ったのか

そんなに長い間見てたのになんでやめようと思ったの?

その頃、パートナーとの関係がうまく行ってない、人生が行き詰まってる、という感じがあった。

同時期に、フェミニズムについて考え始めたのも理由の一つ。一度考え始めると、AVを見ることにも疑問を持ち始めた。

あとは、もし自分が子どもを持ったときにそういう動画を見るなんて考えられないと思って、今のうちにやめようと思った。

過去に「AVは浮気だ」と言われて罪悪感を持ったこともあったな。

ある時心理学者に「感じたくない気持ちをAVを見ることで抑えてるんじゃないかな」と言われて、1ヶ月くらいAVを見なかったことがある。

カウンセリング?

普通のカウンセリング。僕は自分の気持ちと向き合ってすっきりしたいと思った。実際に1ヶ月見なかっただけでも違いが分かったよ。

その時の『人生が変わったような経験』を僕は覚えてたから、最終的にやめたいと思うようになっていった。

自分が中毒だと自覚したのもその頃。僕は人生をもっと深く生きたいと必死に思ってた。

人生の問題を解決したかった。とにかく一時的じゃない幸せを感じたかった。

「もしAVを見なかったらそこにはどういう気持ちがあると思う?」というカウンセラーの言葉がいつもそこにあった。

MeTooの流れで、友人たちの性暴力被害などの経験を知る機会があったんだけど、どれだけ彼らが傷ついているかを知って、頬を打たれたような衝撃を受けたよ。

AVが僕らに見せているものは世の中の性暴力に絶対に影響があると感じた。自分はアクティブな加害者ではないけれど、それでも「なんで自分はAV業界をサポートしてるんだろう」って疑問視し始めた。

AVが見せているのは単なるセックスじゃない。そこには支配欲が含まれている。僕が知る限り、ほとんどのAVでは女性が幸せそうなセックスは描かれてない。

疑問を持ち始めてからは見なかったり見たりを繰り返した。射精した後は毎回「もう二度と見たくない」と思ったし、時々涙さえ流した。これは中毒だ、と思ってた。

僕は射精した後の清々しい気持ちになりたかっただけで、女性が虐げられているのを見たかったわけじゃない。すっきりした気持ちになって、純粋に本や音楽を楽しみたかった。


ja.wikipedia.org


次回は、WがAVをやめる時に苦労したことについて話していきます。

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